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Fatsia Japonica(ヤツデ)


ヤツデの大型の葉が、冬の庭に一際目立っています。江戸末期、医師のシーボルトが沢山の日本の固有植物をヨーロッパに持ち帰りました。その中に「ヤツデ」も入っていました。とすると、このヤツデはシーボルトがヨーロパに持ち帰ったヤツデの子孫かも?


Fatsia Japonica(ヤツデ)は、日本原産のウコギ科の常緑低木です。日本では古来から親しまれた植物です。


和名の八手(ヤツデ)の「八」は、葉が八つに裂けているという意味ではなく、数が多いという意味から来たと言われています。実際、ヤツデの葉は、7つか9つに裂けていることが多いです。「八」を使ったもう一つの説では、縁起を担いだという考えもあります。


「縁起を担いで玄関先や門の脇に植えられることもあるそうです。大きな手の形をした葉は、人や福をかきよせる「千客万来」の縁起物とされています。


「Fatsia」の語源は、日本語の「八」(はち)から来ています。昔の発音で「八」は、「ふぁち」「ふぁつ」「はっしゅ」と言っていたのが、「Fatsia」になったと言うことです。


(ワンポイント)


*丈夫で育てやすく、日陰に強い植物です

*強い日光、乾燥や風の強い場所を嫌い、半日蔭や明るい日陰を好みます

*花が終わるとそれまでの主軸が倒れ、脇から新芽が出てきます

*冬でも落葉せずに大きな葉を茂らせているので、目隠し用の庭木に便利

*葉、茎、根に少量の毒が含まれていて、昔はそれを利用して殺虫剤を作ったとか *「八角金盤」と呼ばれる乾燥させた葉は、生薬や入浴剤として使うことが出来ます





(ヤツデの花言葉)

「分別」「親しみ」「健康」


*縁起が良いと言われるヤツデらしい花言葉になっています。風水的には、ヤツデを西の方角に植えるとお金が貯まり、玄関先に植えるとお金を招き入れると言われています。葉っぱの大きな植物は、邪気の侵入を防ぎ魔除けになると言われています。


(別名、天狗の羽団扇と呼ばれるヤツデ)


*ヤツデの葉が、天狗が持っている羽団扇(はうちわ)に似ている事からそう呼ばれています。なので、ヤツデにも天狗の羽団扇が持つ魔除けの効果があると古くから考えられて来ました。


*ちなみに、天狗が持っている羽団扇には、強力な神通力があり、羽団扇を持つことで飛行、縮地、分身、変身、風雨、火災、人心、折伏などが出来るようになると言われています。「折伏」(しゃくぶく)とは、悪人・悪法を打ち砕き、迷いを覚まさせること。


*天狗が持っている羽団扇の羽の数もヤツデの葉の裂けて出来る葉の数も、どちらも奇数になっています。


(天狗とは)

*「天狗」の語源は、昔、中国では巨大な流れ星を「咆哮を上げて天から駆け下りて来る犬」と見立てて「天の狗」(狗=犬)と呼ばれたのが始まりです。日本には飛鳥時代に唐から帰国した学者が、都の空を巨大な流れ星が流れ去った時に、「天狗」だと言ったのが記録の残る最初の言葉だと言われています。


その後、「天狗」という言葉は、平安時代になるまで使われていませんでした。平安時代での天狗は、密教や山岳信仰を相まって「山の神」と見なすものに生まれ変わっていました。鼻が高く、赤ら顔、山伏の装束に身を包み、一本歯の高下駄を履き、羽団扇を持っている姿はその頃に作られたそうです。


ヤツデがとても神秘的な植物に見えて来ました。


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